カルガモのチビ

 

今日は年末特別編としてカルガモのチビのお話しをさせて頂きたいと思います!

蓮池にいつも通っている方はご存じのチビ(またの名はチビスケ)は、

いろいろと大変な目に遭ってきました。

今でも気にかけて様子を見に来る方がたくさんいます。

そんな皆に愛されているチビの物語のはじまり、はじまり~。

 

チビたちが蓮池にやってきたのは5月24日のことでした。

江ノ電近くの側溝に子ガモ8羽が落ちているのをある方が発見し、

蓮池まで運んできてくださったそうです。

子ガモに寄り添っていた母ガモも一緒について来たそうですよ。

翌日から、たくさんの方が密を避けながらカルガモの赤ちゃんを見にやってきました。

 

こんなに可愛かったんです😊

 

写真:RT

 

でも自然は厳しい。

一晩で7羽に減ってしまいました。

 

写真:RT

 

母親はどんな時でも首を長くして、外敵から子どもたちを守ろうとします。

 

写真:MT

 

しかし力及ばず、その後も一羽ずつ減っていき、あっという間に4羽に。

外敵は何だったのかは今でも分かりません。

 

見守る母親の元ですくすくと育った4羽は、蓮池周辺でエサ探しをしながら、

子ども時代を謳歌します。

 

写真:RT

 

順番に池に飛び込むぞ!

 

写真:CF

 

アメンボ、待て~。

 

写真:CF

 

まぶしいほどの幸せな日々はそう長くは続きませんでした。

子ガモ達が生後1ヵ月を過ぎた頃、チビが外敵に襲われ、お尻に深い傷を負ってしまったのです。

とても弱っているというわけではありませんでしたが、他の兄弟たちと距離が離れがちで、

著しく体の成長が遅れていきました。

 

ボランティアの先輩のお子さんに、獣医師それも野生動物をケアしてきた経歴を持つ方が

いらっしゃって、チビを診てくださることになりました。

チビをボランティア仲間と捕獲し、獣医師に預けたのが6月29日。

だいぶ深い傷ではあったものの、致命傷ではないとのことで、

ひと通りの治療後、なるべく早く池に返すことになりました。

野生動物は、一端群れから離れると、仲間に受け入れてもらえない場合があるためです。

あいにく雨の日があり、予定より一日遅れた7月2日の早朝に池に放しました。

その場にいらした方の話によると、チビがお母さんの元に泳いでいこうとしたところ、

兄弟ガモがチビを追い、仲間にいれてくれなかったそうです。

恐れていたことが現実のものとなりました!!

 

何度もお母さんに近寄ろうとしては兄弟に追いかけられてしまうチビ。

お母さんもチビを追いやるというまさかの場面もありましたが、

兄弟が来るからあっちへ行っていなさいとも取れるようなソフトな追い方で、

チビを気に掛けている様子が多く見られました。

 

兄弟に追っかけられ、必死にダッシュする様子 ↓

 

写真:CF

 

逃げ疲れて、こんな風に佇んでいることもあり。

 

写真:MT

 

梅雨の季節で肌寒く、兄弟たちはお母さんのそばで団子のように固まり、

チビはたった一人で小さな身体を丸めて寝ている。

私は心配で真夜中も見に行きました。

親子は、立ち上がった蓮の葉っぱの下に寄り添っていましたが、チビの姿はありませんでした。

どこか外敵に襲われない場所に身をひそめていたと思われます。

どんなに怖かったことでしょう。

この頃のチビは多くの人の同情を一身に集めました。

 

とにかく身体を温め、体力をつけるようにしなければいけません。

獣医さんのアドバイスに従い、高たんぱくのミミズをあげることにしました。

その際、母親や兄弟も呼んで、チビに近づかないとミミズが食べられない状況を

あえて作るようにしたのです。

そのせいか?翌日には少し距離が近くなりました!

まだまだチビの傷口をつつきながらいじめる兄弟もいましたが、

7月4日にはだいぶ近づくようになり、その後は日ごとに元の関係に戻っていきました。

 

またチビにとって幸せな日々がやってきました(^^♪

お母さんにいつもべっとりくっついているチビ。

 

写真:CF

本当に本当に良かった。

 

大好きなシロツメクサの葉っぱを食べた後は、みんなでのんびり休憩。

 

手前がチビです。

ミミズを食べさせていた時期なので、こちらを熱い目で見てくれています。

餌付けは1週間程度でやめています。

身体がみるみる大きくなっていくのを見届けましたから。

 

大きく成長しても、いつも一緒。

お隣の桜小路公園にもお出かけします。

 

写真:RT

平和な日々が戻り、親とさほど変わらぬ大きさに育った頃、、、。

兄弟の一羽が亡くなっていたのが見つかったのです。

交通事故にあった可能性が高く、カラスに一部食べられていました。

 

その数日後、群れは突然に解消しました。

というのは、お母さんがどこかにいってしまったからです。

残されたチビたち3羽は、最初は一緒にいて、徐々にバラバラになり、

他から渡ってきたカルガモの群れに混じるようになっていきました。

 

そしてチビは蓮池以外の場所へも飛んでいけるようになり、

完全に大人のカモとして自立することができたのです(^^♪

めでたし、めでたし。

 

ここまでがたった生後2ヵ月半の出来事です。

野性動物というのは何と厳しい世界に生きているのでしょう。

 

今でもチビは蓮池にやってきます。

赤ちゃんの頃からパンを与えている人たちが餌付けをやめない限り、

チビはやってくるでしょう。

 

今週、エサ待ちしていたチビ。

 

美形でしょう?

チビの特徴は尾っぽがぴんと小さく立っていることです。

やはり傷の影響が残っているようですね。

もし見かけたら、しみじみと苦労をねぎらってあげてください。

 

 

今年も蓮池の自然を守るための活動にいそしんだ一年でした。

来年も引き続きよろしくお願いいたします😊

 

P.S.

蓮池ニュースの再開はゆっくりと始めたいと思っています。

なぜって、何も草花が咲いていないのです。

鳥の話ばかりではねえ。

 

では、では。

よいお年をお過ごしくださいませ。

 

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