Vol.10 ゲノム編集をご存じですか?


遠い先の話だと思っていたら、そうではありませんでした。

急ピッチで進んでいるゲノム編集食品の流通を何とか阻止できないものかと、

ほんの触りだけでも、急いでお伝えしたいと思います。


新聞によると、年内にも、ゲノム編集により1.3倍ほど身が厚くなったマダイや、

血圧の上昇を抑える効果の高いトマトが市場に並ぶことが予想されています。

他にも開発されているのは、毒芽を作らないジャガイモ、涙が出ないタマネギ、

収穫量の多いイネ、身の厚いフグ、養殖地で大人しく回遊するマグロ、

養殖地で共食いしないようにするサバ、アレルギー物質が少ない卵など。



ゲノム編集食品を簡単に説明しますと、その生物の遺伝子のうち、狙った部分を切り張りして、

遺伝子の配列を変化させ、目的の性質にした食品のことです。



遺伝子組み換え作物(GMO)とは違います。

GMOは、他の生物の遺伝子を導入し、目的の性質に改変させたものです。



遺伝子組み換え作物(GMO)は表示義務があるので、ある程度は回避することができます。

(油や醤油、糖類など最終的にDNAが残らないものや、動物の飼料に関しては、

表示義務がありませんから、大量のGMOが皆さんの口に入っている現状ですが、

またそのあたりは今度お伝えしたいと思っています。)



ゲノム編集食品は、私たち消費者には回避することが出来ません。

なぜなら、厚生労働省は、ゲノム編集食品について、自然界における突然変異や、

従来の品種改良と変わりがないとみなし、表示義務は必要ないと言っているからです。

毒性や発がん性などを調べる安全性の審査は必要がなく、事業者、国へ事前に届け出るだけでOKだそうです。

現在、消費者団体などの反対から、表示する方向に動きはあるものの、まだ決定はしていませんから、

スーパーで売られているマダイが、ゲノム編集されたものであっても、わからないということになります。



ゲノム編集マダイは、改良によって弱くなっており、海に放しても生きていけないだろうと、

開発者自身が言っています。海で生きていけないマダイを食べる意味があるでしょうか?



アメリカでは、既にゲノム編集によって生まれた大豆やトウモロコシの販売が始まっています。

日本はご存じの通り、大豆やトウモロコシをアメリカからの輸入に頼っていますから、

いずれ日本にもやってくることと思います。

その時に表示義務がなければどういうことになるかと説明しますと、

例えば、豆腐は、大豆そのものですから、GM大豆を使用した場合は、表示しなければなりません。

でもGM大豆が使われた豆腐を見たことはありませんよね。

それは消費者の抵抗が強いことから、表示しなければならない商品については、

国産大豆もしくは輸入された非GM大豆を使っているからです。



そこに、ゲノム編集大豆が輸入されるようになったら、どうなるでしょう。

生産量の少ない国産大豆が、知らないうちにゲノム編集大豆にすり替わっていくのが予想がつきます。

そして表示がないので、消費者だけが情報を得ることが出来ず、知らないうちに食べてしまうことになります。



今、ゲノム編集食品を許してしまえば、次から次へと、とめどなく人間に都合のよい人工食品が

あふれかえることでしょう。



欧州連合(EU)は、ゲノム編集食品について、健康や環境に害が出る恐れがあるとして、

遺伝子組み換え作物(GMO)と同じ位置づけで規制しており、表示義務があります。

GM大国アメリカでさえ、急激にGMOやゲノム編集食品の反対層が増えているのです。

反対派の活動によって、GMOを避けることのできる仕組みが出来つつあるそうです。

日本はどうでしょうか。

受け皿をゆるくして、アメリカのGMO輸出先としてトップクラスを誇り、

国民は何となく不安感はあるものの、よくわからないからと、大人しく食べている。


今、若い人が動きません。

いつの時代も、若い人が悪いわけではありません。ただ時代を反映しているだけ。

社会の荒波を生きてきた誇り高い中年以降の方々が、まずは動きましょう!

きっと若い人も追ってくれると思います。



わたしたちに出来ることは、まずは知ることだと思います。

インターネットでも様々な方が異議を唱えていますので、どうか目を通してみてください。



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